それ、私の宿題だよ
うちの母親は
私の宿題を勝手にやってしまう人だった。
明日の授業の準備とか、
夏休みの読書感想文とか、
自由研究とか。
大人になっても
私のアパートの部屋の掃除、
お洗濯、ごはん作り、ゴミ出し、
クリーニングに出すとか。
とにかく沢山のことを先回りしてやってしまう。
頼んでないことをやってしまう。
だから勝手に私物を捨てられたり、
習い事をやめさせられたり、
好きな本をブックオフで売られたりした。
この一部を他人に言うと、
めっちゃええやん、
面倒見ええお母さんやなあ、
うちもやってほしかったわ〜と言われる。
しかし、私は自分でやりたかった。
お友達選びもお母さんがやった。
あの子とは付き合ってはダメ。
○○ちゃんはOK。
そんなことも決められた。
思春期になってからは
恋愛はNGだった。
ケータイを買ってもらったんだけど、
男子の連絡先を全部消されたし、
メールも読まれていた。
一度暗証番号をかけたんだけど、
激怒した母親に解除させられた。
おまけに母親にしか分かんない暗証番号に
設定されて、
ケータイは母親にとりあげられた。
見たいときは母親にお願いしたら渡される。
私は過去に戻ったら、
たくさん失敗したい。
忘れ物をして、こんなに困るんだと
知りたかった。
遅刻して怒られたかった。
下手くそでいいから自由研究の宿題を出したかった。
友達に嫌なことをされたら言い返し、
そして仲直りの方法を勉強したかった。
学校帰りに寄り道して遊びたかった。
馬鹿騒ぎしたかった。
どうでもいいことで笑いたかった。
ファミレスで友達とダラダラ過ごしたかった。
ゲームをいっぱいやりたかった。
漫画も飽きるほど読みたかった。
いっぱい失敗して、
これじゃ駄目なんだと気づいて、
改善して、時々うまくいって、
そーやって成長したかったな。